RIE MIYATA
真冬のシーン別「コート着こなし」、実例公開!
こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。
いよいよコートが手放せなくなるシーズンがやって来ました。
コートは寒さから身を守ってくれる頼もしい存在ですが、
同時に、冬のおしゃれの主役でもあります。
奮発してコートを新調したら、コートに誘われるようにして
お出掛けを楽しみたい気分に駆られます。
ちょうど今の時期は、ショップ店頭でもコートの品ぞろえが
充実しているので、これからの年末年始のお出掛け用に
コートの新調を考えてもいいかもしれません。
冬コーディネートの主役に新顔が加われば、
手持ちのワードローブからも新しい魅力を引き出せることでしょう。
暖かくておしゃれなコートがあれば、寒さが気にならないのは
もちろんですが、寒い外でも気持ちがあがりそう。
コートに連れ出されるようにしてプチ遠出したくなるかもしれません。
そこで、今回は「小旅行」「お呼ばれ」「初詣」という3つのシーンを
設定して、コートの着こなしをシミュレーションしてみました。
プレスの永井路子さんが自らモデルになって
素敵なスタイリングで登場してくれました。
「ガリャルダガランテ」のコートを軸に、
おしゃれコート術をじっくり研究してみたいと思います。
春が来ても、まだしばらくは寒気の厳しい日が続くので、
今のうちにマスターしておけば、結構長い間、着回しできるばず。
(シーン1)
◆ちょっと郊外へ小旅行 温泉?それともワイナリー?
ケープコート ¥81,900 AKIRA NAKA×GALLARDAGALANTE/ニット ¥13,440 パンツ ¥18,690 共にGALLARDAGALANTE/ファー付きストール ¥57,750 HYDY N.G./頭に巻いたスカーフ ¥12,600 GAT RIMON/バッグ ¥68,250 LEAPIOPERAIE/ブーツ ¥77,700 FRANCO MARTINI
軽く羽織りやすい、腰が隠れる程度の短め丈のコートは
体が締め付けられないので、気軽な小旅行にもピッタリ。
スッキリした袖元に、ポンチョ風のシルエットだから、
冬にありがちな着ぶくれとも無縁です。
中に着込むニット類は艶やかな赤をチョイス。
袖から色をのぞかせて、カラーブロックに仕上げます。
そうすることで、アウターを着ていても、動きが出て、
アクティブ&おしゃれな印象を与えることができます。
キャメルカラーのコートなら、インナーの
色合わせの自由度が上がり、コーデも楽しくなりそう。
両サイドにはファスナーが付いていて、写真のように
開ければ、さらにふんわりしたフォルムが楽しめます。
中に着ている服を少しのぞかせると、
レイヤードの立体感がプラスされます。
手首がしっかり出せるから、スリム感を印象づけやすいし、
コートに「着られている」感じになりにくいのが特徴です。
袖の色がはっきり分かる細身ニットを組み合わせることで、
すっきりしたボディーラインを印象づけやすくなります。
手が動かしやすいのも、旅先のアクティブ気分を弾ませてくれます。
首周りにはファーが施された大判ストールをぐるりと
巻いて、コートルックをリッチに華やがせて。
頭にスカーフを巻けば、地味にまとまってしまいがちな
コートルックに、アクセントとして色や柄を差し込めます。
朝に思い立って、昼前に出掛けるような小旅行。
気ままでのどかなショートトリップだから、
歩きやすいパンツルックを選んだのは正解。
Aラインに広がるポンチョ風コートには、このような
スリムパンツで合わせると、脚がシャープに仕上がります。
足元はブーツインしてボリュームを持たせるのがコツ。
ポンチョのようなAラインフォルムには、足元だけではなく、
首元と頭にもボリューム&アイキャッチを置くと、
腕と脚の細さが強調され、スタイルアップにつながります。
バッグはひじに提げられる小ぶりのボストンをチョイスし、
色をベージュ系でコートとそろえることによって、
トーンがまとまり、穏やかなムードが濃くなります。
近場の温泉宿でゆったろ湯船で足を伸ばして
心をほどくのもいいし、以前から興味のあったワイナリーへ
足を伸ばしてワイン造りを五感で学ぶのもいいですね。
小さな個性派美術館をお目当てにした
アートを訪ねる旅もいいですし、評判のスパに身を任せる、
ビューティーな週末自分ご褒美にもそそられます。
日帰りか、せいぜい1泊2日のショートトリップだから、
気取らない、でも気を抜かないこんなコートルックがお似合いです。
(シーン2)
◆クリスマスや年末パーティー、忘年会、女子会
コート ¥48,300 スカーフ付きカーデ ¥15,540 スカート ¥15,540 クラッチ ¥23,100 シューズ ¥18,900 ピアス ¥5,670 全てGALLARDAGALANTE/ファーストール ¥30,450 GALLARDAGALANTE×FELTRINE
クリスマスパーティーを筆頭に、年末・年始は
人前に出る集まりが増える時期です。
お決まりの忘年会・新年会に加えて、近頃はいろいろなテーマや
顔ぶれの女子会が増えて同性から注がれる視線が
一段と気になるようにもなってきました。
コートは防寒の役割が期待されますが、
こういった集まりの席に着ていく場合は
防寒一辺倒ではなく、周りの目を集めるぐらいに
おしゃれ度の高いコートをまといたいもの。
ロングジャケット風の襟付きコートは、英国調のチェック柄。
今シーズンは、特にトレンド筆頭格のチェック柄ですが、
コートでまとえば、周りとは差が付くおしゃれに仕上がるはず。
きちんと感が出るので、お呼ばれシーンでも違和感なく着られます。
スカーフ付きのオレンジカーデに、カラーブロック使いの
スカートで、インナーはやわらかいシルエットを選んで。
トップスに暖色を置いて、ボトムスに寒色を配すと、
腰から下が引き締まって見えます。
レイヤードで上半身にボリュームを寄せれば、
なおさらボトムスがシャープに仕上がります。
ヴィヴィッドカラーのブロッキングされたクラッチバッグは
大勢が集まる場でも目を惹き、アクセサリーのような役割に。
こちらはショルダー付きの頼もしい2wayタイプです。
首周りをあたためてくれるファーストールを手に添えれば、、
それだけで、レディーのたたずまいが際立つムードに。
着こなしに自信が持てれば、人前でも堂々と振る舞えるし、
集まり自体が今まで以上にずっと楽しく感じられるはず。
いつもの冬なら、コートはクロークに預けてしまうけれど、
今年は暖房が控えめになることもあって、コートを着たままの時間が
長くなるシチュエーションも考えられます。
だからこそ、コートを着たままでも困らないように、
全身バランスのコーデチェックを忘れずに。
一番目立つコートは上質感が一目で分かる、
職人気質の息づくディテールで選ぶのが賢い選択でしょう。
(シーン3)
◆神社やお寺への初詣
ダウンコート ¥39,900 ワンピース ¥29,400 パンツ ¥17,640 ピアス ¥6,090 全てGALLARDAGALANTE/ネックレス ¥9,030 NUGAARD バッグ ¥35,700 Lie Down I Think I Love You/ブーツ ¥79,800 FRANCO MARTINI
日本人の新年最初のイベントと言えるのが、神社やお寺への初詣。
毎年の恒例と決めている人も少なくないでしょう。
ただ、初詣の時期はかなりの冷え込みになる上、
長い行列に並んで、寒空に立ちっぱなしになることも。
普段以上に寒さ対策をしっかりしておきましょう。
コートもキルティングダウンを選んで、体温を逃がさないように。
さらに襟周りにファーをあしらったタイプを選べば、
一番寒さに敏感な首筋を鉄壁カバーすることができます。
首が暖かいと、フロントを開けても、意外に寒さが気になりにくいものです。
本当に寒くなったら前を閉じるつもりで、我慢できる限りは
開けておけば、モコモコの見栄えになるのを避けやすくなります。
ダウンは熱がこもり、あたたかさが続くから、
内側に着込む服を薄手にするのが、着ぶくれを防ぐ鉄則。
ニット系ミニワンピで腰回りをあたたかくして、
ボトムスはしっかりブーツインで風を吹き込ませないように。
レッグラインもすっきりシャープに見せてくれます。
ダウンコートで多少ふくらみが生まれる分、
ボトムスはタイトめに仕上げてボリュームの落差を演出。
同系色で濃淡をつけると、程よい陰影が生まれ、
装い全体に深みが出て上品なムードも放ちます。
スカーフ付きのチェーンバッグとタッセル風のネックレスで
フェミニンムードを差し込めば、カジュアルルックを格上げできます。
コートがますます頼もしく感じられるようになってくる
これからの時期ですが、コートに頼り切ってしまわないで、
逆に、コートを脇役に回すようなコーデを組み立てるのもひとつの手。
小物も手を抜かず、アレンジを効かせたものを合わせると、
冬のおしゃれがさらに楽しくなり、その他大勢の冬ルックに埋もれません。
素敵なコートを手に入れたら、早速、
それを口実にして外での時間を楽しみましょう。
別に大げさな旅行を企画しなくても、自宅近辺で
のんびり過ごすのも良し、美術館や映画に出掛けても、
街歩きを楽しんでもいいわけです。
今回、紹介した3つのシーン以外にもコートの出番は多いので、
シーン別のスタイリングは研究のしがいがあります。
ショップに足を運んで、ディスプレイをチェックして、
ショップスタッフさんからのアドバイスも参考にしてみてください。
皆さんにとって、とっておきのコートが見つかりますように。
2011年最後のブログとなりました。
今年、日本は大変な年となりましたが、
2012年は少しでも気持ちが温まる
年になってくれれば、と願うばかりです。
また新年早々、こちらで皆さんとお会いできることを
心から楽しみにしております!
それでは、どうぞよいお年を。