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RIE MIYATA

2014-15秋冬「ガリャルダカランテ」展示会リポート

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

まだまだこれからが夏本番というところですが、ファッションの世界では2014-15年秋冬向けの新商品が展示会で相次いでお披露目されています。次シーズンのムードを今からインプットしておけば、秋の立ち上がりを迎えても頭を悩ませずに済みそう。ネクストトレンドをつかむには、アイテムが一堂に集まる展示会が一番ということで、先日発表された「ガリャルダカランテ」の秋冬コレクションを取材しました。店頭に並ぶのはもうしばらく先ですが、先取りでご紹介しましょう。

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テーマは「Timeless Muse」Francoise Sagan(フランソワーズ・サガン)。

小説『悲しみよこんにちは』で有名なフランス人女性作家、フランソワーズ・サガン(1935~2004年)からインスパイアされています。今年はサガンの没後10年の節目に当たります。彼女が当時、好んで着ていたのは、程良く肩の力が抜けた、マニッシュでシンプルなスタイル。どこか気だるくシニカルでありつつ、パリの気分を漂わせるサガンの作品世界に通じる着こなしは、芯の強さや自分らしさへのこだわりを兼ね備えた現代の大人女性にも似合いそうな気がします。

「ガリャルダカランテ」ではマリンテイストやチェック柄、レオパード柄、デニム、フラットシューズ、パールなど彼女のワードローブとライフスタイルから影響を受けたコレクションを企画しました。これらはどれも時空を超えて錆びない、普遍的なアイテム。そして、今もなお私たちの装いにタイムレスな風情を重ねてくれるアイテムです。

◆チェック柄、ボーダー柄、レオパート柄

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定番的なモチーフと言えるチェック柄、ボーダー柄、レオパート柄。はやりすたりがない分、着こなしに一工夫したくなるモチーフですが、サガンが好んだ中性的で飾り立てない着こなしにもなじみます。気負っては見えないのに、手抜きにも見せない絶妙の落とし所を用意すれば、スタンダード柄も平凡に見えません。

◆ニット

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例年にも増してニットが元気になりそうな14-15秋冬。テニスコートでおなじみのチルデンセーターをはじめ、スポーティなムードが加わります。純粋なカジュアルではなく、襟や着丈の細部にフェミニンをささやきます。ハイネックも今度の秋冬はあごが隠れるくらいのゆるっとした風合いが人気を集めそう。袖も指を包むほどに長くなって、少しずるっとした感じ。ふわふわと毛羽立ったソフトタッチのニットもトレンド入りが有望です。

◆デニム

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14春夏に大復活したジーンズの勢いはその他のデニムアイテムにも波及。Gジャンにも光が当たります。でも、着こなしはこれまでのセオリーに変化が生じます。こちらはGジャンの上にツイードベストがセットされています。アウターの上にベストを重ねる新スタイリングは意外感もあって注目が高まりつつあります。ちょっと懐かしいオーバーオールも細身のシルエットでブラックデニムなら大人っぽい雰囲気に表情が変わります。中性的なムードがサガン流の装いを彷彿させます。

◆アウター

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秋冬の主役となるアウターは上質感が命。その意味ではカシミアのコートは王道ど真ん中。フォルムがシンプルなのに気品が宿るのは、素材の確かさゆえ。ローブのようにリラックスした羽織り方が大人女性にふさわしい。ウエストのベルトは無造作っぽく巻いて余裕を演出。前を開けた着姿との表情の違いも楽しめます。大きなラウンド襟がレディーのたたずまい。マスキュリンとフェミニンが折り合ったロングコートはマストハブ。

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ワークウエアやミリタリーの風も秋冬に強く吹き込んできます。サガンの装いに通じるミリタリーエッセンスはほんのり取り入れると、かえってフェミニンを引き立ててくれます。こちらのモッズ風コートは、トレンチタイプの内側に、袖が黒レザーになったムートンのコートが重なっています。それぞれをばらして別々で使ったり、重ねて着たりと自在に楽しめる欲張りマルチウェイの優れアウターです。

◆ジュエリー

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サガンが好きだったジュエリー素材は、高貴でナチュラルなパール(真珠)。純白につやめくパールは単体で使っても見栄えがしますが、ほかのメタリックやストーンと引き合わせると、さらに表情が深くなります。シンプルな装いにも優美なムードを引き寄せてくれるから、上手に操りたいジュエルです。星モチーフを重ねたアンティーク風のイヤリング、透明感が印象的なクリアジュエリーも冬の着こなしに意外感をもたらしてくれます。アウターで服が隠れて殺風景に見えがちな秋冬こそ、少し主張が強めのアクセサリーがいい仕事をするシーズンです。

◆KARL DONOGHUE(カール ドノヒュー)

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「ガリャルダガランテ」で何シーズンにもわたって人気が続く「KARL DONOGHUE(カール ドノヒュー)」の珍しいバッグを展示会場で発見しました。「KARL DONOGHUE」秋冬コレクションの先行受注会が2014年6月19日からスタートしているので、デビュー前の新作バッグに出会うチャンス。「ガリャルダガランテ」だけの限定バッグや、ラグジュアリーなコートも幅広くラインナップ。コートをオーダーいただいたお客様には「KARL DONOGHUE」のクラッチバッグがプレゼントされます。

◆SARTORE(サルトル)

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履けば履くほど足になじみ、愛着がわく「一生モノ」のブーツ「SARTORE(サルトル)
」。こちらも「ガリャルダガランテ」では毎シーズン、新作を心待ちにするお客様がいっぱい。今回の展示会ではファーがついた珍しいショートブーツを発見しました。「ガリャルダガランテ」では秋に先駆けて「SARTORE」のオーダー会を開催中。初登場のスリッポンタイプや、定番の乗馬ブーツなど今年の新作がフルラインアップ。店頭では売り切れてしまうことが多い人気アイテムを先行オーダーで確実に手に入れることができる、この特別な機会は逃したくないですね。

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秋冬展示会では、ブランドマネージャーの浅見 若菜さん(右)とスーパーバイザーの水口 亜希子さんもサガン流スタイルで迎えてくれました。ストライプやホワイトをスタイリッシュにコーデ。パールのピアスもアクセントになっています。

デビューした10代の頃からサガンのイメージは「早熟」と言われました。つまり、早くから大人の雰囲気を備えていたということで、そのスタイリング哲学は多くの大人女性にとって参考になるはず。「ガリャルダガランテ」の提案するサガン流新スタイルで大人の秋スタイルを楽しんでみてはいかがでしょう。

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