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RIE MIYATA

冬の主役「コート」をもっと生かす 上手な着こなし5パターン

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

「コートの季節」が来ました。「ガリャルダガランテ」にはこの冬も素敵な新顔コートが勢ぞろい。短い丈にロング丈、リバーシブルや細長シルエットなど、様々なバリエーションがあって、目移りしそうなほど。ついついサッと羽織ってしまいがちなコートですが、コートを主役に据えたスタイリングを組み立てれば、冬ルックはぐっと着映えがアップ。今回はガリャルダガランテの新作コートを軸に5パターンの着こなしを提案します。

◆ふんわり襟にもらうあでやかボリューム

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コート 42,000円(+TAX) ニット 17,000円(+TAX) ピアス 6,000円(+TAX) ブーティー 28,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALNATE/パンツ 19,000円(+TAX) FELTRINE/バッグ 86,000円(+TAX) OLIVIA CLERGUE

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量感が控えめなショートコートは、着姿を重たく見せないから、おしゃれ上手の伴走者。ブルゾンとはまたひと味違うレディー感を寄り添わせてくれます。上品なムードを漂わせるうえで大事なのは、質感とフォルム。そして、平凡さを遠ざけるディテールが加われば、着映えが退屈に見えません。

こちらのウールコートはふっくらした肉厚感が落ち着きとリッチさを印象づけます。襟元にはトグルボタンがあり、寒い日は留めてぬくもりを高められます。トグルを留めないで、ベルトでウエストマークすると、シルエットに起伏が出ます。襟とつながったフードがラウンドを帯びて朗らかな表情をもたらしています。

キャメルカラーのコートを引き立てるのは、真っ白いワイドパンツ。いさぎよいホワイトが、キャメルのやさしい風情を際立たせます。たっぷりしたボリュームも大人っぽい余裕を感じさせます。フリンジバッグはコートよりも濃いめの色で、濃淡のコントラストを深くしました。

ニットはケーブルの盛り上がりがのどかでフェミニン。強めのオレンジカラーが装いのポジティブな気分を呼び込んでいます。前を開けて着るコートルックでは、コート下に着込むトップスがムードメーカーになるので、手抜きは禁物。華やぎが乏しくなりがちな冬場だけに、明るい色味のニットは重宝します。長さの異なるパーツを垂らしたピアスは顔の近くでエレガンスをささやきかけます。コートに隠れてしまわないピアスやイヤリングはこのシーズンのキープレーヤーです。

◆頼もしいリバーシブルで着映えもダブル

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コート 210,000円(+TAX) ニット 15,500円(+TAX) パンツ 16,000円(+TAX) ブーティー 28,000円(+TAX) ベルト 9,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/ネックレス 15,000円(+TAX) CIRCO JEWELLERY

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好きなコートはついつい毎日のように着たくなります。でも、同じような着姿を繰り返し披露するのは考え物ですし、自分でも飽きてしまいがち。そんな悩ましさと無縁なのが、ダブルフェイスという別名通り、表と裏で別の顔を持つリバーシブルのコート。単純計算でもバリエーションは2倍ですが、実際の着回しパターンはそれ以上。圧倒的なコストパフォーマンスも魅力です。

スペイン産のムートンを使用したコートは、さすがのノーブル感が目を惹きます。ムートンコートには「分厚くカジュアル」「ほっこり感とボリュームが持ち味」といったイメージを持つ人も多いようですが、こちらのコートは落ち着いたシルエットに、色合いも穏やか。グレーとベージュの中間色にあたるグレージュはムートンに陰影をもたらす絶妙なニュアンスカラー。装い全体を静かに整えてくれます。

背中側の着丈が少しフロントよりも長い「前後アシンメトリー」の仕立てが優雅な着映えを生みました。毛羽立ちの具合やポケットの有無など、表と裏でいろいろな違いがあって、別のムードを楽しめます。身頃と袖で切り替えが施してあって、着姿に動きが出ています。開いた袖がエレガントな雰囲気を引き寄せました。スペイン産のメリノ羊革はボディーラインにしっくりなじむ着心地のよさ。光の当たり加減や身体の傾き次第で表面の表情が変わる点もこのムートンの魅力です。

グレージュのやわらかいカラートーンを生かすのは、支持が広がるホワイトルック。イノセントな白がムートンの風合いをさらに引き出してくれます。冬のコートルックは重たいダークカラーが目につきますが、あえて白系を投入すると、シャープな着映えに仕上がります。足首ゾーンがわずかにのぞくブーティを添えれば、素肌感も加わって、フレッシュなムードが漂います。

◆ミリタリーカラーのフェミニンシルエット

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コート 68,000円(+TAX) シャツ 14,500円(+TAX) スカート 16,000円(+TAX) ピアス 8,000円 (+TAX) ブーツ 39,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/スカーフ 15,000円(+TAX) MAISON BALUSHON

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ミリタリーは勢いが衰えません。でも、一時期のように押し出すのではなく、もっと抑えたトーンで迎え入れるのが、今の流儀。オリーブグリーンやカーキ、サンドカラーといった軍用色をベースに、「うっすらミリ」の濃度であしらうアレンジが人気を得ています。ミリタリー系アウターはトレンチコートが代表格ですが、フォルムの面でももっとプレーンでしなやかな形が提案されています。

こちらの膝丈コートはミリタリー系の色を使いながらも、ノーカラーの首周りがやさしげな顔つきに見せてくれています。裾に向かって少しふっくらした、コクーン(蚕のまゆ)風シルエットに仕立てたので、さらにフェミニンなムードが濃くなりました。上質ウールはしっかりとした厚みがあり、暖かさも申し分ないのに、見た目以上の軽さ。しんなりとボディーラインに沿うから、動きを邪魔しません。フロントにはメタリックパーツをあしらって、つやめきを添えました。

デニムシャツで合わせると、行動的でボーイッシュな雰囲気が加わります。スカーフを首に巻いてレディー感を差し込んで、ジェンダーミックスのこなれ感を引き出したのは、真似しがいのある小技。ピアスもいい仕事をしてくれています。打ち合わせが左右アシンメトリーのスカートは動きをプラス。スエードのロングブーツは主張が強すぎないので、ボトムスとの相性を選びません。

◆くるまれコートでほっこり冬ルック

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コート 53,000円(+TAX) ニット 15,500円(+TAX) パンツ 18,000円(+TAX) 帽子 8,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/パンプス(スタッフ私物)

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冬本番になってくると、肩から腰にかけてしっかり包み込んでくれる、たっぷりめフォルムのコートが恋しくなってきます。軽やかにまとえるロングアウターは、その内側に着るトップスの選択肢を広げてくれるから、自在のスタイリングが可能になります。

少し肩が余って自然に垂れたようなドロップショルダーのフォルムは、ソフトな輪郭を描き、キャラクターまでもやわらかく印象づけます。こちらのオーバーコートはゆるやかに曲線を描くコクーンシルエットがリラクシングなたたずまい。縦がたっぷりある分、縦長イメージが目に飛び込んできます。写真のように袖をロールアップすれば、体型や着こなしに合わせてバランスを整えやすくなります。

表と裏で色がはっきり異なるリバーシブル仕立てだから、ウインターシーズンを通してつきあえる、頼もしいパートナー的存在に。フォルムに余裕があり、中に着込むトップスのバリエーションを制約しないのも、着回し面でうれしいところ。表と裏両方でたくさんの組み合わせパターンを試したくなります。中でもニット・プルオーバーは常連中の常連。メタリックなネックレスを添えると、ニットの風合いが引き立ちます。冬ルックに貴重なつやめきがもらえるネックレスオンは手放せないアレンジです。

縦長感を出すうえで役に立つツールに帽子があります。しかも防寒メリットが大きく、狙い通りのイメージを引き寄せることもできるとあって、おしゃれ上手は冬ハットの使い手。トップスやコートと色をなじませれば、帽子が着姿に溶け込みます。レディーライクにもマニッシュにも帽子次第で味付けできるから、帽子は着こなしのイメージセッター。コートの着回しにも一役買ってくれます。

◆ロング&リーンで引き出す「細見え」

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コート 98,000円(+TAX) ニット 14,000円(+TAX) ブーティー 28,000円(+TAX) バッグ 19,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/パンツ 19,000円(+TAX) RED CARD/帽子 43,000円(+TAX) SUPER DUPER

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この冬のコートトレンドで見逃せないのは、長細い「ロング&リーン」の形。しばらく前から続くチェスターフィールドも縦長のシルエットが持ち味ですが、今季は様々な形のコートで細長フォルムが打ち出されています。すっきり凜々しいイメージが際立つので、着ぶくれが心配な真冬にうれしい「細見え」のアウターです。

こちらのコートは大きめの襟がゆったりとロールしていてエレガントな着姿に導く仕上がりになっています。霜降り風のメランジ柄は上品な顔つきで、シーンを選ばずにまとえそう。身頃の着丈がたっぷりある分、袖をまくり上げて量感を少しそいでやると、全体のバランスがさらにシャープに。裏地も引き締め色として利いています。ニット・プルオーバーの袖先をのぞかせて、腕の細感もアピール。パンツも裾をロールアップして、わずかに素肌を見せると、くるまれ感がやわらぎます。

コートの縦長感を、小ぶりのトートバッグが印象づけています。アウターのすぐ横にポジションするバッグは、地味になりがちな冬ルックの大事なプレーヤー。好みの色を足し込めるのも、コーディネートを助けます。モスグリーン系の深みがシックでナチュラルなムードを寄り添わせました。靴も色を意識して選びたいもの。ロングコートの裾下ゾーンで程よく主張してくれる色めきシューズはコートルックの味方。前後で切り替えを施したタイプは足元にドラマを用意してくれます。

5パターンのコートルックはいかがでしたか。冬の寒さを遠ざけつつ、華やぎやノーブル感、軽快感などを呼び込めるから、コートアレンジは工夫のしがいがあります。ガリャルダガランテの新作コートは着回しのしやすさがあるから、自分好みのコーデを何種類も楽しめそうです。

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