こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

もう今年も残すところ、２カ月を切っています。この１年間頑張った自分にご褒美を贈りたい気分にかられます。特に、この冬は素材の上質感が際立つアイテムに注目が集まっているので、今回は選りすぐりの冬アイテムを５つのコーディネート別でご紹介します。お気に入りを見つけたら、ショップに足を運んで手触りや風合いを確かめてみてくださいね。

◆ムートンコートで大人にふさわしい上品カジュアル

コート 260,000円(+TAX) INES&MARECHAL／デニム 26,000円(+TAX) JIMMY TAVERNITI／ニット 16,500円(+TAX） パームカフ 7,000円(+TAX） リング 5,500円(+TAX） ブーツ 35,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE

ムートンは原料の良し悪しが結構、はっきり分かってしまう素材の代表格。メリノ種の羊の毛皮を、天然の状態のまま、毛伸ばしやつや出しを施すので、素材の出来が仕上がり後の見栄えを決めてしまうのです。「INES & MARECHAL（イネスエマレシャル）」のメリノムートンコートは見た瞬間、上品な色味に魅せられます。たっぷり取られた襟が、ラグジュアリーな風情を漂わせています。地厚のほっこりしたムートンの質感が穏やかなムード。両サイドに切れ込んだ大胆に入ったスリットがヌケ感を添えました。

指の第１関節と第２関節の間に着けるミディリングは、意外な見栄えが指先をつやめかせてくれそう。ファランジリングとも呼ばれます。手の甲に着けるパームカフも進化系アクセサリーの新顔。ツインパールのボリュームが気品を寄り添わせます。手持ちの指輪やバングルと組み合わせて、手を主役に据えた「アクセサリーレイヤード」を組み立てられます。秋冬はアウターにくるまれるから、数少ない露出スポットの手首から先は素肌感やセクシーを印象づけられる貴重なアピール場所。ハンドビューティーはしなやかで健康的なイメージも引き出すので、特に秋冬は手が抜けません。

◆細長効果を発揮！モード＆コンフォートなニットワンピ

ワンピース 19,000(+TAX)　ハット 13,000円(+TAX） ピアス 9,000円(+TAX） 全てGALLARDAGALNATE／バッグ 62,000円(+TAX） MYSUELLY／ブーツ 39,000円(+TAX) FABIO RUSCONI

「ニットがなくちゃ始まらない」と、あちこちでこの秋冬はニットが看板アイテムにプッシュされています。こちらのニットワンピースは太さの異なるストライプ（縦縞）が着姿をリズミカルに弾ませています。袖と裾の切り替えも動きを加えました。さらに、背中側にはダークカラーの別生地を配して、前後で全く異なる見栄えにアレンジ。陰影が生きて立体感を際立たせています。自然とボディーラインになじむ、ゆったりめのシルエットは、タイツとの相性にも優れています。

秋冬は大きめピアスを投入すると、顔周りに華やぎが生まれます。まばゆくきらめくタイプやパール系のピアスは、チークあたりに光を写し込んでくれる分、顔が明るく映ります。こちらはリーフカットされたビジューモチーフとパールタイプのミックスだから、一段とリュクスが薫ります。ニットはのどかに見える一方で、デイリー感が出やすいので、こういった格上感を帯びたアクセを差し込んで、日常イメージを遠ざけたいもの。フリンジを垂らしたポシェット風のミニバッグも縦に長い印象を増幅しています。

◆進化系アクセサリーに合わせたいトレンドアイテム

ニット 21,000(+TAX) デニム 15,000円(+TAX） リング 6,500円(+TAX） パームカフ 8,000円(+TAX） パンプス 24,000円(+TAX） 全てGALLRDAGALANTE／ファーストール 63,000円(+TAX) KARL DONOGHUE／バッグ 53,000円(+TAX) GOLDENLANE

このところミディリングやパームカフといった、割とトリッキーな見え具合のアクセサリーが支持を集めるようになってきました。見慣れた位置や表情とは異なる風情で手に視線を引き込んでくれるおかげで、着こなしのバリエーションが広がります。アクセは服の「お供」という役目を演じることが多いのですが、こんなニューフェイスであれば、あえてアクセを主役に抜擢したスタイリングも試したくなります。その場合は装いをあまりゴチャゴチャさせないで、色数を抑えると、全体がうまくまとまります。

ワイドシルエットのデニムパンツはいわゆる「ジーンズ」とは別物の落ち着いた風情。合わせたざっくりニットは、ウエストでゆるくインするという、この秋冬にもてはやされているスタイリングで迎えました。ここでカジュアル顔にまとめてしまわないで、ファーストールでグラマラスに演出。色味をブルー系でそろえているので、それぞれの濃淡が際立って全体が穏やかなムードに整っています。ファーのホワイトが青の引き立て役に。シックな大きめクラッチバッグが上品テイストを添えました。パンプスもデニムの素材感を印象づけています。

◆アシンメトリー＆クラシカルが叶える「ノーブルレディな装い」

スカート 15,000円(+TAX） バッグ 21,000円(+TAX)  ／全てGALLARDAGALANTEハット 44,000円(+TAX)／MUHLBAUER  ニット 77,000円(+TAX) BANJO&MATILDA／ファー×ニットストール 42,000円(+TAX) FELTRINE／ブーツ 97,000円(+TAX） SALTORE

左右や前後でわざと不ぞろいにした「アシンメトリー」は今、最もモードなディテール。きれいに整いすぎた均整をいたずらっぽい手つきで崩すから、着姿に意外感やリズムが生まれます。こちらのミニスカートも正面で縫い合わせないで、斜めに打ち合わせました。裾の高さも微妙に食い違っていて、動きが感じられます。短かすぎない膝上の程よいレングスは、多彩な着こなしに誘います。足元は乗馬用で知られる「SALTORE」のショートブーツで軽快感を出しました。タイツやパンプスで合わせても表情が変わるので、春までの着回しに苦労せず済みそうです。

秋冬は掛け巻き物が準主役として大事な役割を果たしますが、こちらのコーデでもストールがノーブルで大人っぽいイメージを醸し出しています。ファーとニットを組み合わせたストールはまるでレイヤードのよう。こちらも端の高さがずらしてあって、無造作ライクな見栄え。こういう整えすぎないまとい方がこなれ感を生みます。ブリム（つば）がうねる帽子も力まないしゃれっ気を添えました。バッグは丸型ポシェットの進化版。クロコダイルの型押しがシックな印象。細やかに起毛したヌバック仕上げが施してあり、抜け感が加わりました。靴のアッパーに多く用いられるヌバックは、光沢を帯びたつやめきバッグとは違う、やさしげな雰囲気を寄り添わせてくれます。

◆ファー×ムートンで上質感をまとう　主役アウターでリュクスムード

コート 330,000円(+TAX) INES&MARECHAL／パンツ 18,000円(+TAX） ブーツ 35,000円(+TAX) 共にGALLARDAGALANTE／バングル 63,000円(+TAX） TOMTOM JEWELRY

秋冬の軸はやはりアウター。上質素材の変形コートが新鮮なスタイルに導きます。こちらの腰丈コートはファーを乗せて、リッチ感をプラス。すっぽり手を包むビッグポケットが朗らかな印象。豊かなボリュームが温かみを引き出しました。

主人公のコートを引き立たせるには、残りのアイテムを、主張が控えめなミニマル風にまとめて。色味をそろえてあげれば、かえって質感の違いが目に残ります。ファーの光沢は、バングルのグリッターと響き合い、さらにグラマラスな風情に。シャープな爪先を持つブーツもスタイリッシュなたたずまい。七分袖ライクに腕をのぞかせているので、コートが重たく見えません。コートを着る場合はこのようにどこかで肌を見せるアレンジを工夫しましょう。パンツも裾とブーツの間にボリューム差があるおかげで、「細見え」効果が生まれています。

アウターが目立つ秋冬の装いは地味に見えがちですが、バッグから取り出すウォレットや手帳などのレザー小物は目を惹きやすく、おしゃれのアクセントになってくれます。「ガリャルダガランテ」からのスペシャルオーダーで用意された「MARY AL TERNA（メアリー オル ターナ）」の別注アイテムもコーデの頼れる援軍。バイカラー（２色使い）のウォレットをはじめ、クリスマスのギフトにも向く小物が入荷しています。MARY AL TERNAは「女性の仕草にフォーカスして生み出すアイディアプロダクツ」というコンセプトを掲げる、バッグや財布などの革小物のブランド。山鹿竜輝（やまか・りゅうき）デザイナーは色のバランスやオリジナルの金具に気を配る作風で、ガリャルダガランテ全店で取り扱われている今回の別注シリーズでも持ち味が生きています。

「メアリー オル ターナ」山鹿氏のインタビューはこちら。
http://www.gallardagalante.com/?p=3251

冬仕様のコーデ５例はいかがでしたか。冬ルックは重たい印象がありますが、今の新傾向は「軽やかにグラマラスに」。スタイリングのポイントは、質感の素敵な服やリュクスなつやめきのアクセサリーを迎え入れること。この冬のガリャルダガランテにはそういった新顔アイテムがたくさん出番を待っているから、冬本番を前に頼もしいパートナーを見つけに来て、冬ならではのおしゃれを楽しんでください。