BLOG

RIE MIYATA

コート新世代が到来 オーバーフォルムとロング&リーンの魅力

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

秋本番を迎え、コートの準備を始める頃合いになりました。秋冬の「顔」的な存在のコートですが、今、脚光を浴びているのは、オーバーフォルムとロング&リーンの形。「GALLARDAGALANTE(ガリャルダガランテ)」でもこの秋冬はこの2大シルエットを提案。そこで、今回はオーバーフォルムとロング&リーンが手に入るコート8型をコーディネートと一緒にご紹介します。

◆ロング&リーン

まずロング&リーンがなぜ受けているかというと、それはコートルックの欠点とされる「かさばり感」を遠ざけられるから。細長い見え具合は、無用のもたつきを感じさせません。太って見えにくいのはもちろん、流れ落ちるようなイメージのおかげで全体にこなれて映ります。気負わずリラックスした雰囲気に仕上がるのに加え、大人っぽいレイヤードに整えやすい点もロング&リーンの魅力です。

01
コート 48,000円(+TAX) スカート 18,000円(+TAX) 共にGALLARDAGALANTE/ニット 35,000円(+TAX) THE KEYS TO THE CLOSET×RILOREN

縦長のチェスターコートは今度の秋冬も人気が続きそう。細身のベーシックな形だからこそ、シルエットが肝心。こちらはシングル仕立てで量感を抑えめに。チェスターは着丈が長いせいで、背が高くないと似合いにくいと思い込んでいる人もいますが、こういうコンパクトな形であれば、体型に関係なく、自分らしく着こなせるはず。しんなりとボディーラインに沿う、癖の強すぎないモデルだから、オフィスシーンにもなじみます。
02
コート 46,000円(+TAX) デニム 15,000円(+TAX) ストール 29,000円(+TAX) シューズ 32,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/カットソー 23,000円(+TAX) AERON

襟付きやボタン留めといった、コートの常識を少しずらすだけで、着映えが大きく変わります。立ち襟がなく、首周りがフラットなノーカラーは見るからにのどかな景色。ダブルジップのフロントもかさばりを抑えられます。しっかりした質感の二重織りウールで仕立てたコートは程よい厚みがあり、内側は割と薄着でも防寒性が高くなっています。何枚も着込まなくて済む分、着姿がスレンダーに。クラシックな印象のノーカラーはストールとも相性に優れています。

03
コート 65,000円(+TAX) ニット 15,000円(+TAX) パンツ 22,000円(+TAX) バッグ 29,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/シューズ 20,000円(+TAX) AMB

おしゃれのアピールポイントに変化が起きています。その変化とは背中への目配り。これまでは正面からの視線を主に意識していましたが、最近は後方からのまなざしを受け止めるデザインが相次いで提案されています。エレガントなショールカラーの大襟コートは肩にかかるほどの主張襟が背中側からもアイキャッチー。ベルトの垂らしノット(結び目)も利いています。アンゴラ混のやさしい風合いが際立つよう、縫い目やステッチを最小限にとどめて、ノーブルに仕上げました。長めの着丈はどんなボトムスとも合わせやすくなっています

04
コート 55,000円(+TAX) ニット 21,000円(+TAX) パンツ 18,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/ピアス・イヤリング 27,000円(+TAX) ODETTE

欲張りな女性が今の服に求めるのは、何通りにも着こなせる「マルチシルエット」のようです。カイコの繭(まゆ)のようにゆるやかな曲線を描くコクーンシルエットのコートは朗らかなムードを呼び込みます。フロントを閉じて着ると、穏やかな丸みが一段とくっきり。イタリア製ウールの上質感も引き立ちます。Vネックが深めのこちらは前を開けると、抜け感たっぷりの表情に。襟がやや背中側に抜けるパターンで仕立ててある分、着姿に動きが出ます。内側に着るウエアと色味をずらして、カラーブロッキングの重ね着も楽しめます。

◆オーバーフォルム

05
コート 38,000円(+TAX) ニット 24,000円(+TAX) パンツ 22,000円(+TAX) 全てGALLARDAGALANTE/ピアス・イヤリング 24,000円(+TAX) SAYAKADAVIS/シューズ 32,000円(+TAX) PELLICO SUNNY

次はオーバーフォルムの4型に目を移していきましょう。最初になぜこの形が支持されているかをおさらいしておきます。ジャストサイズよりも大きめのシルエットは伸びやかでユーモラスな着映えが持ち味。無愛想になりがちなコートルックにヒューマンなあたたかみをまとわせてくれます。ボディーの輪郭を隠すおかげで、見た目上の着やせ効果が期待できるのも見逃せないメリット。性別にとらわれないジェンダーレスの装いにも仕上げやすくなります。

こちらのタイプもややコクーン気味のシルエットで、腰から下の細感を引き出しています。襟にもボリュームがあり、顔周りの華奢感が生まれています。細い繊維のウールで仕立ててあるから、軽さとあたたかみが両立。ワイドパンツで合わせて、少しだけ足首をのぞかせると、さらにほっそり感が強まります。

06
コート 48,000円(+TAX) ニット 18,000円(+TAX) 共にGALLARDAGALANTE/デニム 19,000円(+TAX) RED CARD

コートには厚ぼったいイメージがありますが、ライナー(裏地)を添えない一重仕立てのタイプは、ジャケットのようにサッと羽織れます。内側がもたつかず、心地よく着られます。ウールとポリエステルの混紡を使って、適度な張り感とつやを出してあるので、フォルムが波打つような着崩れの心配は無用。薄手の生地を手作業で縫製したおかげで、縫い代が表から見えにくくなっている点も、しんなりした着映えを生んでいます。しかも、ガリャルダガランテお得意のリバーシブル仕立て。1着を何通りにも着回せる「重宝コート」はシーズンをまたいで出番が多くなりそうです。

07
コート 45,000円(+TAX) GALLARDAGALANTE/ニット 33,000円(+TAX) ELIN/デニム 19,000円(+TAX) RED CARD

ダークトーンの無地が多くなりやすい秋冬コートだけに、柄や色で工夫したタイプは退屈や平凡を感じさせない選択になり得ます。ホワイト主体の大ぶりチェック柄はリラクシングでありつつ、洗練されたムードを帯びています。ケープ風のゆったりした形は穏やかなたたずまい。ブランケットのようにソフトな生地がやさしく身体を包んでくれます。袖に過剰なまでの量感を持たせる今の流れに目配りして、こちらも袖はボリュームたっぷり。前後は丈違いになっていて、コートを主役にしたスタイリングが楽しめそう。コートに主張があるから、ボトムスはシンプルなジーンズで合わせても様になります。

08
コート 28,000円(+TAX) GALLARDAGALANTE NAVY/カットソー 23,000円(+TAX) AERON/スカート 57,000円(+TAX) M.MARTIN/シューズ 20,000円(+TAX) AMB

フェイクファーを中心にファーが勢いづくのもこの秋冬の目立った動き。ファーらしさを押し出しすぎると、操り方に苦労してしまいますが、こちらのフェイクムートンコートは自然体の見え加減だから、着ていくシーンを選びません。やわらかい風合いが人柄までソフトに見せてくれそう。見た目だけでなく、実際に軽いので、どこへでも連れ出したくなります。襟から続くファー部分がとても大きめに仕上げてあるうえ、襟を少し立たせたようなこしらえになっていて、顔周りをすっきり見せてくれます。この襟元はボタンを留める位置次第でコンパクトな見え具合にアレンジが利きます。こういうトランスフォーム(変形)が用意されていると、スタイリングに幅が出せます。

例年にも増して、レイヤードが盛り上がりそうなこの秋冬だけに、「重ね着に組み込みやすいデザイン」が新コートの条件となってきます。オーバーフォルムとロング&リーンはどちらもレイヤードを組み立てやすい形。早めの冬支度は春まで役に立つので、肌が寒さを感じてコートのぬくもりを欲しがる前にショップで「新世代コート」の登場を実感してみてください。

NEW ENTRY

Shop Staff Blog