RIE MIYATA
素敵なTシャツと出会うイベントへ アーティストのカリグラフィー(文字の美)も
こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。
ゴールデンウイークはいかがお過ごしですか?前回ご紹介した(http://u0u0.net/tFNM)ガリャルダガランテのスタッフによるTシャツコーディネートは参考になったでしょうか。「ガリャルダガランテ」ルミネ新宿店で開催される月替わりテーマの「SERENDIPITY(セレンディピティ)」。3月の「BLUE」、4月の「STONE」に続いて、5月のテーマは「Tシャツ」です。今回はさらにTシャツに踏み込みました。
ヴィンテージからインポートブランド、オリジナルアイテムまでTシャツを幅広く集めたイベントを5月1日から30日まで開催しています。5月1日~8日の期間中にTシャツをお買い上げのお客様に、様々なサイズとカラーから選んでいただけるTシャツに、その場でスタッフが1枚1枚丁寧にシルクスクリーンでプリントしてプレゼントしてくれるというキャンペーンも開催しました。
今回のセレンディピティに参加してくれたのは、アートディレクター、グラフィックデザイナーの「Letterboy」さん。スウェーデン出身のPeter Liedbergさんが名乗っているアーティスト名です。現在は東京都内に住んで、主にプリント、タイポグラフィー、カリグラフィー、デジタルグラフィックを制作しています。
シルクスクリーンのプリントデザインはLetterboyさんが手がけました。セレンディピティブースのイベント用にもオリジナル作品を何枚か書き下ろしてもらえたので、店内にディスプレイしています。ルミネ新宿店内の大型ミラーにも、ノベルティーのTシャツと同じデザインの文字が描かれています。実際にLetterboyさんにショップへ来て、制作してもらった貴重な作品です。店頭で披露するのは、今回のセレンディピティ最終日の5月30日までとなるので、この機会に足を運んでみてほしいと思います。
Letterboyさんが得意とするカリグラフィーとは、文字を美しく見せる技法のことです。同じアルファベットであっても、文字のデザインが違えば、全く異なる雰囲気を帯びるもの。ブランドや企業のロゴもそれぞれのイメージやポリシーを象徴しています。Letterboyさんの公式サイト(http://letter-boy.com/)ではこれまでの作品が公開されていて、カリグラフィーをまとった文字の表現力にあらためて驚かされます。
今回のセレンディピティでは、キーアイテムのTシャツに加え、サマーシーズンを心地よく過ごせそうな帽子やサンダルなども用意されています。汗ばむ季節にTシャツは欠かせませんが、Tシャツルックとなると、手抜きに見えてしまいそうで、コーデに頭を悩ませがち。店頭のディスプレイではガリャルダガランテらしいスタイリングも提案されているので、着こなしのお手本になります。
近頃のおしゃれの新潮流に「ステートメント」があります。意味の深い言葉を服にあしらって、装いのメッセージ性を強める表現です。ロックTでは刺激的なスローガンが躍るデザインもありますが、Letterboyさんが描いてくれたのは、主張が強すぎず、それでいておしゃれ感の高い言葉が多くて、Tシャツを1枚で着ても、程よい華やぎが漂います。
ブースの名前である「SERENDIPITY」自体も意味の深い言葉です。「素敵な偶然の出会い」と訳されることが多いのですが、実際にはもっと意味が広くて、予想外の発見や、何かを探しているときに、本来探したのとは別の素晴らしいものをたまたま見つけるといったニュアンスを含んでいます。「幸運にも」「驚いたことに」という感覚が伴っているのも、この言葉の特徴です。
Letterboyさんもこの言葉を気に入ってくれたようで、ミステリアスな筆致のカリグラフィーで、「SERENDIPITY」をつづってくれました。本来の並び順を崩したり、文字の大小にめりはりを付けたりして、ファンタジーを宿した言葉にふさわしい、ロマンティックなムードを忍び込ませています。うれしい偶然や幸運を舞い込ませてくれそうな気分も募ります。
「SERENDIPITY」のプリントTに限らず、Tシャツには色やモチーフごとにそれぞれの持ち味や雰囲気があるので、おしゃれのムードメーカーになってくれます。今回のTシャツイベントではガリャルダガランテのフィルターを通したセレクトで、趣深いデザインのTシャツが集められているから、お気に入りを見つける絶好のチャンス。夏に向けて、コーデに役立つパートナーと出会うセレンディピティにもなりそうです。
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