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RIE MIYATA

話題のNYブランド「M. MARTIN(エムマーティン)」を知るに絶好のスペシャルイベント

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

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セレクトショップにはたくさんのブランドが集められていますが、バイヤーも時にこれは特別に強くおすすめしたいと思うブランドと出会うことがあるものです。「GALLRDAGALANTE(ガリャルダガランテ)ルミネ新宿店」の月替わりブース「SERENDIPITY(セレンディピティ)」はそういうブランドを紹介する場にもなっていて、9月はニューヨークブランドの「M. MARTIN(エムマーティン)」のポップアップ(期間限定)ショップを開催します。普通の売り場とは違う、スペシャルな場にふさわしく、エクスクルーシブ(限定品)やアーカイブアイテムなど、通常は店頭に並ばない商品を取りそろえました。

1年前の2015年9月にNYコレクションでデビューした「M. MARTIN」。都会的なセンスや着心地のよさなどでスタート当初から高い評価を受けています。スルチでありつつ、思慮深い風情を帯びたデザインは「こなれ感」を大切にしたい着こなしにしっくり融け合います。

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「M. MARTIN」のデザイナーはジェニファー・ノイエス氏とアレックス・ギルバート氏の女性デュオです。ノイエス氏は「Prada(プラダ)」でウィメンズウエアの販売部門を任されていた実力者で、ギルバート氏は「Paper Denim & Cloth」の立ち上げにかかわっていて、2人そろってファッション業界での経験が豊富です。

2016-17年秋冬コレクションは予想外の生地感と、目を惹くデイテールを意識して、少し風変わりなミニマリズムを提案しています。ヴィンテージやストリートファッションなどから着想を得て、シンプルでありながら華やかで、エキセントリックを宿したエレガンスという、深みのあるテイストに仕上がっています。

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シーズンのイメージを印象づけるビジュアルを手がけたのは、NYで活躍中のアートディレクター、ジャスティン・テオドロ氏。今回のセレンディピティでは、彼のイラストも飾られています。イラストレータとしても有名な彼が「M. MARTIN」を描いたイラストをプリントしたトートバッグを、期間中、ブースでおい買上げされたお客様へ先着順でプレゼントしています(数に限りあり)。写真やイラストと一緒に服を眺めることによって、さらにブランドの世界観を感じやすくなるはずです。こういう懐の深い見せ方ができるのも、セレンディピティのいいところです。

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この秋冬の新作を具体的に見ていくことにしましょう。スタッフの永井路子さんが羽織っているロングコートは「ガリャルダガランテ」エクスクルーシブの品。つまり、ガランテ各店でしか買えません。しんなりとボディーラインに沿うシルエットに「M. MARTIN」らしさが出ています。シングルボタンでの打ち合わせもすっきりした着映えに導きました。パンツもガランテ各店での限定販売。たっぷりしたワイド幅ですが、ハイウエストに程よくしわを寄せたり、結んだ帯ベルトを無造作っぽく垂らしたりと、細部に凝っています。視線を引き込むホワイトのラインが全体をシャープに見せています。同じ形でネイビー系とベージュ系の2色が用意されています。

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モードの世界ではデビュー作に当たる「ファーストコレクション」は特別な意味を持ちます。デザイナーやブランドが始めて発表するコレクションには、持ち味やメッセージが色濃く反映されやすいからです。つまり、最も濃度が高い作品群と言えるわけです。実際にはすぐに売り切れてしまい、二度と手に入らなくなってしまう「お宝」的な存在ですが、今回のセレンディピティではその「お宝」を復刻。「M. MARTIN」が15年秋冬シーズン向けのNYコレクションで発表したファーストコレクションを特別に展示・販売できることになりました。

ニットのセーターはシャギーな風合い。力みを遠ざける「エフォートレス」のたたずまいです。デニムのコートは意外性の高い造り。ガウン風ののどかな仕立てです。パジャマライクなシャツジャケットにもリラクシングな雰囲気が漂います。マスタードカラーのコートは秋冬ルックにスパイスを添えてくれそうです。

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先に挙げた「ガリャルダガランテ」限定商品のほかに、ルミネ新宿店でしか扱わない、今回のセレンディピティブースのためだけに企画されたオリジナルラインも販売されています。「M. MARTIN」のアイテムと相性がよく、コーディネートしやすい限定アイテムです。たとえば、スカートのセットアップ(上下そろい)はデコルテが優雅に開いて、フロントの裾は正面側の着丈が短め。布がゆったりと波打つペプラムも配してあり、エレガントな着姿。ケーブルニットのセーターやスリーブレスのアウターなども用意されています。

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「M. MARTIN」のよさは、随所に工夫があるのに、気負ったようにも主張過剰にも見えず、静かな着姿に整えやすいところにもあります。癖が強すぎないから、手持ちワードローブとのミックスコーディネートが楽しめます。デビューコレクションや写真・イラストなどにも会えるセレンディピティはブランドの成り立ちまで知ることのできる、またとない機会になるはずです。

 

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