RIE MIYATA
2016春夏ファッション小技 NYスナップ×10
こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。
夏が近づき、着こなしがシフトチェンジするこの時期は新しいスタイリングを試したい気分に誘われます。お手本になるのは、モードなイベントに現れるリアルなファッショニスタたち。ファッショントレンドを先取りする彼女たちのコーディネートは見どころがいっぱい。私が2016年春夏・NYファッションウィークの開催中に撮った10人を参考に旬の着こなしをキャッチしていきましょう。
◆ワイドパンツ
(c)Rie Miyata
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日本でもすでにワイドパンツは当たり前のボトムスになりつつありますが、一歩踏み込んだコーデが着姿に差をつけます。まず「無地、ベーシック色」から抜け出して、大胆柄のパンツをチョイス。ワイドパンツに釣られて視線が下向きになるのを、アイキャッチーなトップスでカバー。上下で異なるモチーフを組み合わせれば、「柄on柄」のポジティブルックに。上下でダイナミックに色を変える大技も選択肢に加えて。目を惹くレッドカラーパンツに、落ち感のあるサマーアウターをオン。アウターのロング丈が縦長感を際立たせています。
◆デニム
(c)Rie Miyata
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復活したジーンズ人気を追い風に、デニムコーデもアレンジの幅が広がってきました。カジュアルやラフといったイメージが強いだけに、その裏をかくスタイリングが上級者らしい好判断。はき込み感を出したジーンズに、パッチワークヤダメージド加工を施して、ストリートクチュール風なリメイクジーンズに仕上げています。ミニマルな白トップでさりげなく整える「引き算」コーデ。クラシックな箱トランク風のミニバッグが大人感を添えました。見慣れたスキニージーンズはあっさり脇役に回して、トップスを盛り気味に。ミリタリー顔のブルゾンはショート丈、飾りファスナー、スーパーロングリブ袖と、趣向が盛りだくさん。ボーダー柄のカットソーは袖先も裾もはみ出させてサマーレイヤードに。ブルゾンのふくらみがスキニーの細感を目に飛び込ませています。
◆肌見せ
(c)Rie Miyata
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夏は素肌もおしゃれの一員に加わります。「チラ見せ」の露出はバリエーションが広がって、自分好みのコーデに溶け込ませやすくなってきました。裏トレンドとなりつつある「パジャマ」は、少し脱力気味のムードが持ち味だから、フロントボタンをはずしておへそゾーンをのぞかせる露出も試せます。だらけ気分に寄せすぎないで、ポケットチーフできちんと感も差し込んでいます。オープントゥのサンダルと赤のペディキュアも手抜き感をオフ。ブームになってきたオフショルダーは肌見せの切り札的存在。こちらも愛用者が増えてきた分、コーデに工夫が求められます。ティアードやラッフル、ドレープといった布の表情を引き出すディテール、強めのカラーコントラスト、艶美なシルエットなどを意識すると、肩から視線をそらせます。アイキャッチーなミニバッグも効いています。
◆ファー小物
(c)Rie Miyata
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ファッションの新しい「常識」になりつつある「シーズンレス」はわざと季節感をずらすアレンジのこと。サマーコートや夏ブーツが日本でも定着し始めました。さらに進んで、近頃は「夏ファ-」も登場。さすがにファーアウターを羽織るのは暑いので、主役は小物。バッグやアクセサリー、靴などで「ふわもこ感」を投入するのが、「夏ファ-」の楽しみ方。フリンジのような毛足の長いファーバッグは70年代ムードもまとえます。靴の甲にもファーをポイント使いして、白と黒を朗らかに響き合わせています。さっぱりしがちな夏ルックに、カラフルなファー小物は絶好のスパイスに。小脇にピンクのクラッチバッグを抱え、腰からはしっぽチャームを提げたアイデアがお見事。割とあっさりした色味のワンピースにチアフルな華やぎを添えています。
◆ミニワンピ、ショートパンツ
(c)Rie Miyata
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ミニ丈のワンピやショートパンツは夏のお約束的なアイテム。涼やかな着心地はありがたいのですが、ガーリーに見えすぎたり、手抜きに映ったりする点が悩ましいところ。ピンストライプ柄のシャツと合わせれば、大人っぽさとマニッシュ感がダブルで手に入ります。上品なチェーンバッグを高い位置に提げて、全体にノーブルな雰囲気を帯びさせました。ショートパンツは、上下おそろいのセットアップで着こなすと節度をわきまえた印象に様変わり。ワントーン・コーデで正統派ムードもまとえます。別柄ベスト(ジレ)を差し込んでさらに表情を深く。色・柄に主張のある靴を添えて、程よくパンチを利かせています。
夏らしいライトな装いにも、「どこか違う」「何だか素敵」と感じられるスタイリングはあります。軽やかでありながら、退屈にもルーズにも見せないさじ加減が格上のコーデに導いてくれます。「ガリャルダガランテ」のショップにもこなれ感を保ちつつ、半歩先のおしゃれに役立つアイテムが次々と入荷しているから、夏本番を前に足を運んでみてはいかがでしょうか。