Dec.09.2011
6:10 PM
[ Rie Miyata ]
2012春夏ファッションはどうなる!? 展示会リポート

 

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こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

急に冷え込みがきつくなり、冬本番を迎えましたが、
ファッション業界では2012年春夏シーズン向けの
展示会が相次ぎ、気持ちは早くも来春夏へ向かっています。

先日、「ガリャルダガランテ」も来春夏の新作が発表されました。
展示会にお邪魔してきましたので、リポートをさっそく公開します。

店頭に並ぶ前に春夏コレクションを今から予習しておいて、
春のお買い物に備えておけば、手持ち服ともコーデしやすい
お目当てのアイテムを確実に手に入れられることでしょう。

展示会場でまず最初に目に飛び込んできたのが、写真の通り、
ホワイト(白)&エクリュ(生成り)で展開されたコーナーです。
シャツやニットなど、ワードローブに欠かせないアイテムがそろっています。

リラックス感を漂わせながら、洗練された雰囲気が印象的でした。

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「ガリャルダガランテ」2012春夏コレクションの
テーマの主題は、「Blooming season」。

英語の「bloom」は「花が咲いた、花盛りの」
といった意味の言葉で、すべてがみずみずしさを増す
春夏シーズンの活気や生命力にふさわしい表現と言えます。

世界的にポジティブなファッションが盛り上がっていて、
そのトレンドともしっくりくるテーマです。

副題は「wearing atmosphere in Sourthern Italy」。

「南イタリアの雰囲気をまとう」というこの副題が示す通り、
来季のイメージカントリーは「イタリア」です。

しかも南イタリアと設定されています。

イタリアは地中海に突き出したブーツのような形をしていて、
ブーツのソールやかかとに当たる南側のエリアには
ナポリやシチリア島などが位置しています。

陽光が降り注ぐイメージの強いカプリ島や
サルデーニャ島も南イタリアの島。
(ベネチアやミラノはイタリア北部の、
フィレンツェは中部の都市です)。

「ナポリを見て死ね」という有名な言葉があるぐらい、
景色や街並みが美しいところが多い南イタリアは
リゾートルックやリラックスウエアが似合う地域。

リュクスでくつろいだ装いがお得意の
「ガリャルダガランテ」がイメージソースとするのに
ふさわしいエリアと言えるでしょう。

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さらに3つのサブテーマが用意されています。

「Airy brightness」「Sun-Loved Islands」
「Crossroads of Mediterranean」の3つです。

「Airy brightness」という言葉からは、
吹き抜けるさわやかな風をはらんで、
心地よく揺れる服のイメージがふくらみます。

陽射しを浴びて照り映える笑顔、
軽やかな足取り、そして色鮮やかな装い。

クリーンで清らかなたたずまいや、
聡明なキャラクター、コンフォータブルな着心地なども
「Airy brightness」の提案するイメージです。

「Sun-Loved Islands」は文字通り、
太陽に愛された島々で過ごすような
心がほどける時間に似つかわしい装いを、
私たちにささやきかけてくれます。

まばゆい太陽光と親しげなホワイトベースのコーデ。

身体を締め付けないのに、ゆるすぎず、崩れて見えない、
避暑地の貴婦人を思わせる着こなしを思わせます。

オリーブグリーンやシトラスなどのサマーシーズンの
すがすがしさを身体全体で表現できる色合わせ。
夏が待ち遠しくなるルックがそろいました。

「Crossroads of Mediterranean」は
南イタリアを象徴するようなフレーズ。

地中海に加えて、アドリア海やイオニア海に面した
このエリアは文化の行き交うゾーンであり、
気候の温暖さとも相まってオープンで
人なつこい気質をはぐくんできました。

海を隔てて、ギリシャやチュニジア(アフリカ)と向かい合うという
複数の文化圏にまたがる地理的条件も手伝って、
北イタリアとは異なる風土が根付いています。

文化の交差点(crossroad)と呼ぶにふさわしい土地柄です。

 

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そういった南イタリアならではの土地柄を意識して、
アフリカンテイストやエスニックプリントなど、
異文化ミックスの装いを提案しています。

ブラッドレッド、ゴシック模様のように
情熱に満ちた色合い、歴史を感じさせるモチーフは、
複雑な民俗文化のクロスオーバーを表現してもいます。

イメージソースが南イタリアだからといって、見るからに
イタリアンな着こなしを提案しているというわけではなく、
「ガリャルダガランテ」流のサウスイタリアンな着こなしです。
シーンを選ばない上、大人のムードが寄り添うので、
国籍不詳の異邦人気分を味わえます。

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全体のキーカラーとなっているのは、
春夏ファッションに清涼感やつつしみをもたらす「白」。

清々しくイノセントなキャラクターを印象づけてくれる白を、
純白、オフホワイト、生成りなど、様々なトーンでそろえて、
くつろいだ場にはもちろん、ちょっとした集まりにも着ていけそうな
シーンフリーのスタイルを提案してくれています。

展示会場でお会いした、プレスの高田さんと永井さんも
キーカラーとなっている「白」を上手に取り入れた新鮮ルックでした。

白以外に、サニーイエロー、アクアマリン、チェリーローズといった
きれいな色のアイテムも集められているから、ホワイトとのコーデで
互いを引き立て合うようなおしゃれが大いに楽しめそうです。

アイテムで見ると、ロールアップ・パンツや膝丈スカート、
ニット、シフォンドレスなどの身体を締め付けず、
平穏な時間を約束してくれる心なごむアイテムの品ぞろえが
一段と厚くなっていて、今までのワードローブとも組み合わせしやすそう。

毎シーズン、人気の高いワンピースは艶やか色の品や
ドレープがたっぷり入ったタイプなど、充実した品ぞろえです。

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小物のバリエーションもますます豊富で、注目を集めている
カラーブロックのバッグや帽子、アクセサリーも続々とお目見えします。
「ガリャルダガランテ」お得意のストールやスカーフも、次シーズンは
リゾートルック風の使い方の提案も見受けられ、鮮度がさらに高まります。

フリンジをたっぷり垂らしたバッグのほか、ヤギ革やアカエイ、オーストリッチ、
クロコダイルなど、レア&リッチな素材を用いたバッグなども並びます。

ドレスシューズ風やウイングチップ風などの紳士靴を思わせる
シューズが登場し、着こなしのアクセントになってくれます。
パイソンをはじめとするリザード(爬虫類)革のようなピリッとした
ムードの靴が、シンプルな白系の装いの味付けになるはず。

世界のトレンドがヴィヴィッド色、パステルカラーを採り入れ、
前向きで明るいテイストに向かう2012年春夏ファッション。

「ガリャルダガランテ」が打ち出す南イタリア風の装いは、
上を向いて歩き出そうという今の気分に自然となじむ、
前向きで伸びやか、そして穏やかなおもむきを感じさせます。

肌をなでる布地の風合いや、指先に触れる革の手触りからも、
おしゃれのよろこびを実感できる「ガリャルダガランテ」の
2012春夏のアイテムは、素肌越しにナチュラルな風や光を
感じ取りながら、日々の気分を穏やかに盛り上げてくれそうです。


 

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