May.07.2013
8:42 PM
[ Rie Miyata ]
プリミティブカラーに心躍る!映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

初夏に向かっておしゃれも浮き立つシーズンになってきました。
この春夏は鮮やかな色を楽しむのが、世界的なトレンド。
「ガリャルダガランテ」では鮮やかなプリミティブカラーの
アイテムがたくさん登場。例年以上にショップを色づかせ始めました。

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(c)The New York Times and First Thought Films.

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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

ただ、鮮やかなカラーは主張されるので、うまく操れないと
思い込んでいる人もいるかもしれません。ついつい無難なダークカラーや
ベージュ系にまとめがちですが、必ずしも扱いづらいわけではありません。
「堂々とまとう」「小物で試す」「色数は抑える」などがポイントになります。
自分の好きなものを着るというマインドが強いニューヨークには、
お目立ち色を上手に使いこなす達人が大勢います。

そういった街角のファッション巨匠たちをカメラで追い続けてきた、
ストリートスナップの先駆者的存在が写真家のビル・カニンガム氏です。

カニンガム氏は、1928年生まれの84歳の現役フォトグラファー。
50年間も街角でおしゃれスナップを撮り続けてきた
ストリートファッション・スナップの先駆け的存在です。

2013年5月18日から公開される、彼の仕事ぶりを伝える
ドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』には、
彼がファインダー越しにとらえたおしゃれニューヨーカーたちが続々登場。
着こなしのお手本という意味でも興味深い内容になっています。


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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

 

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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

この映画にはイエローやグリーン、レッドなどの目立つ色をストリートで
着こなす男女の姿が収められています。コートやジャケットなど、
最も面積の広いアイテムに強い色を迎えた着姿は押し出しが強く、
はつらつとしたイメージが目に飛び込んできます。

スクリーンで見て分かる通り、ブライトカラーはその人の
エナジーやパッション(情熱)を印象づけるので、
「その他大勢」に埋もれてしまわない効果が期待できます。

ポジティブな人柄を感じさせる色の1つがネオンカラー(蛍光色)。
今季の人気急上昇カラーとなっています。陽光がまぶしさを増す
これからのシーズンに、高発色のネオンカラーはぴったり。
オレンジやオリーブなどの柑橘系カラーを選べば、若々しさや
アクティブ感も出るから、夏のリゾートルックも華やがせてくれるはず。


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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

鮮やか色を取り入れるコツの第一は「堂々とまとう」。
主張の強いカラーを添えるのだから、凛々しい立ち姿で。
元気なムードで着ると、健やか色の前向き感が際立ちます。
洋服だけでなく、スカーフやレッグウエア、バッグ、シューズなどの
小物を使ってカラーブロックに仕上げれば今年らしいトレンドルックに。


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(c)The New York Times and First Thought Films.

 


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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

コツの第2は「小物で試す」。
映画にも出てきますが、ニューヨーカーは帽子使いが上手。
帽子は小顔効果が発揮されたり、全身のプロポーションもスラリと見えます。
カラフルなシューズを選べば、レッグラインがスッキリと仕上がります。
クラッチバッグを取り入れれば、指先が華やいで、所作までエレガントに。
薄着になる夏場の装いに、首周りにヴィヴィッドな色使いのスカーフや
ネックレスを合わせれば、フェイス周りに華やぎがプラスされます。

 

 

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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

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(c)The New York Times and First Thought Films.

 

第3のコツが「色数は抑える」。目に刺さる色だからこそ、乱用は厳禁。
いくつもの色をぶつけるのではなく、基本は1~3色加えるほどの
配色を心がけましょう。残りは白や黒などの無彩色で合わせると、
ブライトカラーが引き立ちます。複数の色を使いたい場合は、
袖や身頃といったパーツごとに色を変えるカラーブロッキングを試して。
同系色で少しずつトーンの風合いを変えると、着こなしにも深みが出ます。

今シーズンの「ガリャルダガランテ」には、いつもの着こなしに
落とし込みやすいプリミティブカラーのアイテムが提案されています。
色の操り方を上達させる準備期間も含め、映画でニューヨーカー流の
アレンジを予習して、この夏は、色鮮やかなファッションを楽しんで。


『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
5月18日(土)より新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
配給:スターサンズ、ドマ
(c)The New York Times and First Thought Films.
http://www.bcny.jp/

 

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