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2012. 01. 20

「ジャン=ミシェル オトニエル:マイウェイ」展に触れて、ファッションマインドを高める

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。 現代アートの表現はどんどん手法が広がり、今では見た目が一見、これまでのアートっぽくない、まるでインテリアやジュエリーのような作品も少なくありません。 額縁に収まった絵画作品や、人物や物の姿を再現した彫刻などは比較的伝統的な表現スタイルです。 具体的な何かのかたちを示さないオブジェやインスタレーションといった形態も既に当たり前のアートとなっています。 ジャン=ミシェル オトニエル:マイ ウェイ(原題 Jean-Michel Othoniel, My Way) 東京・品川にあり、現代アートファンの間では以前から広く親しまれている原美術館で開催されている「ジャン=ミシェル オトニエル:マイ ウェイ」展もそういった新しい芸術のうねりを実感させてくれる展覧会です。 「現代アート」と聞くと、「分かりにくい」「とっつきにくそう」といった心配を感じる人もいるかも知れませんが、オトニエル作品の場合はそういった懸念は無用です。 なぜなら、私たちにとって比較的身近な「ガラス」という素材を得意とするアーティストだからです。 ガラスのアートとしてはアールデコの巨匠、ルネ・ラリックやアールヌーボーのエミール・ガレが作った壺やランプなどが知られています。 香水瓶を集めた美術展も開かれたことがあります。 でも、オトニエル作品はこういった今までのガラスアートとはかなり趣が異なります。 ガラスという素材を生かしながらも、いかにもガラス細工といった品をこしらえるのではなく、3メートル以上もある巨大なネックレスや人が中をくぐれそうな大きさのオープンハートといった、サイズも形態もダイナミックな作品がたくさんあります。 もちろん、小ぶりの作品もありますが、そこに写り込む眺めや周囲を作品世界に落とし込んだり、ガラスというマテリアルの特質を逆手に取ったようなウィットフルな作品が多く、知的な欲求をくすぐられるはずです。 現代アートを少し縁遠く感じていた人にもこの展覧会は絶好の機会になりそうです。 ガラスがそもそも美しいので、見惚れているうちに、彼の世界観に引き込まれていくことでしょう。 「神父のローブをまとった自画像(Autoportrait en robe de pretre)」 1986 年 白黒写真 4.6 x 6.7 cm(写真) 33 x 43 x 3 cm(額) (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Artist Collection Photo by Jean-Michel Othoniel たくさんの作品を眺めて、館内を歩き回るうちに自然と彼のメッセージが頭にすり込まれていくプロセスは何だか魔法にかかっていくような体験です。 この展覧会はオトニエル氏の日本における初個展となります。 パリ最大の現代美術館で大成功を収めた展覧会の巡回展で、今年屈指の見逃せない展覧会と言えます。 パリの3大美術館は時代別に3つのミュージアムに分かれおり、最も古い時期(印象派より前)の至宝を集めた殿堂が知らない人のいない「ルーブル美術館」で、モナリザもミロのビーナスもここにあります。 続く印象派の時代を主に収集・展示しているのが日本でもファンの多い「オルセー美術館」。モネやゴッホ、セザンヌの名品に出会えます。 そして、その後の近現代アートを受け持っているのが、「ポンピドゥー センター」(国立近代美術館含む)です。 パイプとガラスで組み立てられた工事中のビルのような前衛的な外観はいかにも現代アートの聖地にぴったり。 ニューヨークのMoMAと並び称される、この世界の現代アート界のシンボル的ミュージアムで、本回顧展は2011年、3カ月にわたって開催され、20万人という記録的な来場者を動員しました。 そのパリでの展示内容を、かつて個人の邸宅だった原美術館の空間に合わせて再構成しました。 「ラカンの結び目(Le Noeud de Lacan)」(部分) 2009 年 鏡面ガラス、金属 150 x 135 x 50 cm Francois Odermatt 蔵 (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Collection Francois Odermatt Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of Galerie Perrotin, Paris オトニエル氏は1964年にフランスで生まれ、80年代から硫黄、鉛、蜜蝋(ろう)といった素材を使ってアート作品の制作を始めました。 これらの素材の共通点はいずれも熱を加えて形を自在に操れる可変性の素材である点です。 可変性の素材は冷えると自然に固まるので、人工とナチュラルの、作為と偶然の狭間で不思議なフォルムが導かれます。 そういったクリエーション魂をそそる素材選びの末にオトニエル氏がたどりついたのが、ガラスという素材でした。 93年からガラスを用い始めたオトニエル氏は優れた作品を相次いで生み出し、デビューから約25年を迎えた今ではフランスを代表する現代アートのスタークリエイターとなっています。 装飾性と官能性を両立させている点が彼の作品の特徴とされます。 「マイウェイ」という展覧会タイトルには、これまでの様々な軌跡を経て現在に至る彼のオリジナルな創作の道のりが象徴されています。 初期作品から近作まで約60点にものぼる主要作品を一挙に公開する本展にふさわしいタイトルと言えるでしょう。 オトニエル氏が主に用いるガラス玉は、イタリアのヴェネツィア市にあり、ガラス工芸の伝統技術が息づくムラーノ島で制作されています。 ジュエリーにも用いられるガラスだけあって、作品にもミステリアスなきらめきを寄り添わせています。 ガラスでこしらえた作品の中にはきれいに形の整ったものばかりではなく、何の形だか分からないグニャリとしたフォルムもあります。 そのなまめかしい姿は「硬くて冷たい」、「透明でつややか」というガラスのイメージを覆します。 こういったガラスの質感や色を自在に操るオトニエル氏の技は私たちの日頃のおしゃれにも生かせるところがあります。 「涙(Lagrimas)」 2002 年 ガラス、水、テーブル 140 x 500 x 70 cm 個人蔵 (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Private Collection Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of Galerie Perrotin, Paris  オトニエル作品の「涙」(2002年)はガラスという素材の透明感や無機質性を巧みに取り込んだ作品です。 「ハピネス ダイアリー(Diary of Happiness)」 2008 年 ムラーノガラス、木 206 x 348 x 33 cm 個人蔵 (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Private Collection Photo by Mariano C. Peuser Courtesy of Galerie Perrotin, Paris 「ハピネス ダイアリー」(2008年)はムラーノガラスの鮮やかな赤に目を奪われます。 「ラカンの結び目(Le Noeud de Lacan)」 2009 年 鏡面ガラス、金属 150 x 135 x 50 cm Francois Odermatt 蔵 (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Collection Francois Odermatt Photo by Guillaume Ziccarelli Courtesy of Galerie Perrotin, Paris 「ラカンの結び目」(2009年)には光をはね返す鏡面ガラスを使って、メタリックなきらめきに未来的なイメージを託しました 色の異なるガラス玉が連鎖して絡み合う様は生命の原点と言えるDNAを思い起こさせます。 「私のベッド(Mon Lit)」 2002 年 ムラーノガラス、アルミニウム、飾りひも、フェルト 290 x 240 x 190 cm Francois Odermatt 蔵 (c)Jean-Michel Othoniel/Adagp, Paris 2011 Collection Francois Odermatt Photo by Patrick Gries Courtesy of Galerie Perrotin, Paris  色とりどりのムラーノガラスを天蓋や柱に配した「私のベッド」(2002年)は眠りに就く前から夢見心地に誘ってくれそうなファンタジーあふれる作品。 幻想的でフェアリーな装いも、薄着になる春夏の着こなしに選びやすいテーマと言えます。  今回は、「ガリャルダガランテ」の2012年春夏最新アイテムを手がかりにアートな着こなしのヒントを探してみましょう。  ネックレス ¥59,640 MIRIAM HASKELL/ブローチ 上から ¥5,040 ¥4,515 ¥6,195 CITRUS  「ガリャルダガランテ」のネックレスやブローチにも透き通った素材感を装いの味付けに使ったものが用意されています。 軽装になっていく春夏シーズンには、こういったクリア系のアクセサリーが重宝します。透明パーツ以外のマテリアル、服地と重ねることによって涼やかでクリーンなムードが引き立ちます。  スカーフ (左)¥6,090 JAGO (右)¥8,295 GALLARDAGALANTE/ネックレス ¥9,345 TELA ブラウス ¥19,425 TELA  ビタミンカラーやグラフィカルモチーフといった目に飛び込んでくるような色・柄はこの春夏のキートーン。 ドット柄スカーフとグラフィカルな配色のごろごろネックレスと絶妙のマッチングを発揮します。 オレンジの縁取りをあしらったスカーフも控えめにシトラスカラーを差し込んでくれるから、程よく前向き気分を薫らせてくれます。 変形フォルムのホワイトシャツは、たっぷりした袖周りとしんなりした仕立てが大人リラックスしたたたずまい。彩り豊かなスカーフ、ネックレスのパートナーにうってつけです。  ストール ¥10,710 CHAN LUU/ピアス ¥11,865 RUEBELLE DESIGNS/ネックレス ¥42,840 MIRIAM HASKELL パールを贅沢に配したストールや、ピアス、3連ネックレスは生物から生まれたジュエリーであるパールの特性を生かして有機的なイメージを目に忍び込ませます。 人工物ではない真珠に、つや消しのメタリック加工を施すと、本来の気品はそのままに、鈍い輝きが生まれ、装いにも穏やかなムードが備わります。 シャイニーで晴れやかすぎないパールはシーンを選ばない、使い勝手のよいアクセサリーです。 シューズ ¥19,950 MIEZKO/ネックレス(ブローチ付) ¥12,600 CITRUS ストール上から ¥9,345 ¥16,800 共にMAPOESIE ハッピー気分をふくらませる色やモチーフが躍るストールは肩周りにのどかで優しい景色を生んでくれます。 リボンやブローチ付きのネックレスはロマンティックなムードをまとわせてくれます。 きらめきいっぱいのシューズは、今シーズン復活を果たしたとま先の尖ったポインテッドトゥで優雅さと華やぎをプラス。 フェミニンでありつつ、甘すぎずない大人ドリーミーなこの春夏のファッショントレンドは「ガリャルダガランテ」が以前から提案しており、得意としてきたところ。 「ジャン=ミシェルオトニエル:マイウェイ」展のアートに触れて、ファッションマインドをさらに盛り上げて、この春夏のおしゃれを大いに楽しんでみてください。 【展覧会情報]】展覧会名: ミシェル オトニエルル:マイウェイ会期: 2012年1月7日(土)〜3月11日(日)会場: 原美術館(東京都品川区北品川4-7-25)Tel: 03-3445-0651(代表)ウェブサイ: http://www.haramuseum.or.jp携帯サイト: http://mobile.haramuseum.or.jp開館時間: 11:00 am〜5:00 pm(水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで)休館日: 月曜日入館料: 一般1,000円、大高生700円  


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