2012. 12. 07 2013年春夏の新傾向を「ガリャルダガランテ」展示会からキャッチ! こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。寒さが一段と厳しくなり、冬ファッションが本格的に楽しめるようになってきましたが、ファッション界では、2013年春夏コレクション後の展示会のフィナーレです。冬が終わってからでは、乗り遅れてしまうから、今からさっそく次の傾向をインプットして気になるアイテムやテイストを冬の間に予習してみてはいかがでしょうか? 先日、「ガリャルダガランテ」の展示会が開催されましたのでリポートします。来春夏トレンドの早耳情報としても、充実したラインナップは見逃せません。 2013年春夏「ガリャルダガランテ」のテーマは「カリビアンクルーズ」。カリブの島々や国を船で巡る旅です。ネイティブでクラフツ感のある小物が用意され、カリブ海に住む極彩色の鳥のカラーも持ち込まれます。もちろん、カリビアンブルーの海の色も多く提案されています。 「カリビアンクルーズ」からさらに、3つのサブテーマが打ち出されています。 ◆「アーバントライバル」民族調のトライバルそのままではなく、あくまで都会的に仕上げます。都会で働く女性がカリブ海への旅に想いを馳せながら旅支度をするイメージ。アーバンで洗練された洋服に、フリンジ使いやパイソン、ハラコのようなネイチャーなディテールや素材が溶け合います。色鮮やかなレッド、イエロー、ロイヤルブルー、カナリアイエローなどが差し色となり、ハッピーで垢抜けたトライバルミックススタイルが楽しめそうです。 海のように鮮やかなブルーのシャツが目を引きつけます。そこに、小花プリントのプリーツスカートで合わせた柔らかさが上品な華やぎを添えています。大きなお花のネックレスがスカートの花柄と響き合って休日ののどかな心持ちを映すかのよう。帽子とシューズはマスキュリンなムードを添えて。バッグも思い立っての小旅行といったこなれた気配を感じさせます。 鳥が舞う影絵のような抽象的なプリントのワンピースがシャープな印象的です。視覚効果を発揮してくれる遊びゴコロある抽象柄やグラフィカルプリントは今季の注目モチーフ。そこに、フリンジがたっぷり付いたチェーンバッグとくたっとしたブリム(つば)の帽子でリラックスした大人の風情をプラスして。 ◆「コロニアルダンディー&ネイティブエッセンス」中南米に多く見られる、白壁のコロニアル調の建物からインスパイアされた、セピアがかった景色に映える白いリネンシャツ、白いパンツがキートーンに。ニュアンスの異なるホワイトの着こなしを提案。乾いた空気感の似合うホワイト、ベージュ、ブラウンなどの色を基調とし、ブルーやレッド、ゴールド、シルバーを差し色に迎え、程よく力の抜けたマスキュリンスタイルに誘ってくれます。人気のマニッシュアイテムの着こなしの幅を広げて楽しみたくなります。 ボーイッシュなチェック柄シャツに甘い白レースワンピという、相反するテイストミックス。見慣れたチェック柄もこうすればまだまだ生かせます。風を通しそうなナチュラルな帽子がいかにもコロニアルなムードを放ちます。無造作げに垂らしたマルチカラーミックスのネックレスにもカリブが薫ります。 2013年春夏ファッションでも世界的に大注目されているのがストライプです。ストライプの幅や色なども様々でバリエーション豊かです。中でもストライプのパンツは脚長効果を発揮してくれるうれしいアイテムと言えそうです。パジャマのようなゆるいフォルムのパンツをスラウチに着こなして、トップスはミニマルなシャツできれいめに合わせるという相反するコーデがこなれた立ち姿を生みます。ダイナミックなヘッドアクセやアートオブジェのようなネックレスがアクセントになることで華やかさがプラスされます。 ◆「カラープリミティブ」極彩色の鳥の羽根で作ったネックレスや、浜辺で拾った流木を集めて作ったアクセサリーなどが印象的なアイテムになります。長い歴史の中で受け継がれた、手仕事感の高いネイティブな小物を主役に据えました。カラーはよりビビッドでハッピーなピンクやオレンジ、ネイブー、シルバー、オフホワイトなどを組み合わせ、プリミティブやオプティミスティック(楽観的)なムードを盛り上げます。 鮮やかイエローとブルーのカラーブロックコーデがミニマルフォルムに新鮮さを加えてくれます。強い色は上下で分けて使うことで、全体の着こなしにメリハリが出ます。ビジュー付きブラウスは1枚で主役級の役を演じてくれそう。見栄えのするビジューやアクセサリーはさっぱりしがちな春夏ファッションをおしゃれに格上げしてくれる大事なパーツです。 ほかにも、おすすめアイテムが一堂に揃いました。春夏のハーピー気分を高めてくれそうなプリントもたくさんラインアップされています。 フランス発「LA PRESTIC OUISTON」は、ヴィンテージのスカーフを使った1点物の作品も人気のブランドです。表情の豊かなアニマル顔モチーフに思わず笑みがこぼれます。もはや見慣れて定番化しつつあるレオパード柄は今季はこのような長袖ジャケットで差を付けてみては。リラックスフォルムがこなれた雰囲気とおしゃれ上手を印象づけてくれます。 「ガリャルダガランテ」のオリジナルブランドが、さらにパワーアップして、「Luxe」「Holiday」「Standard」の計3ラインに広がったのは記憶に新しいところ。↓http://www.gallardagalante.com/galante/blog/2012/07/post-77.html この春夏コレクションでは、さらに進化を遂げて、手の込んだ作品が続々です。レースの上にボーダーがプリントされたトップスは視覚効果がおしゃれ感たっぷり。フェミニンなレース×ボーイッシュなボーダーとのマリアージュが心憎いデザイン。レースの白ワンピやグリーンのペイズリー柄パンツもナチュラル感と手仕事味がこだわりを感じさせる仕上がりです。旅行に連れていきたくなるアイテムです。 フリンジやビーズを配したフォークロアテイストのクラフトマンシップが冴えるバッグは、今季はあえて、ミニマルな装いに添えて都会派テイストで着こなして。きらめくビーズや刺繍、フリンジがさらりとした着姿にも味わいを加えてくれます。バッグもアクセサリーや洋服の一部と考えながらコーデするのが今の気分です。 「ガリャルダガランテ」といえば、充実したストール提案があることで有名。もはやおしゃれ女子の定番アイテムといえるストールは、さらに進化を果たし、様々なアレンジが施されたタイプがお目見えします。写真のような、フリンジがたっぷり付いたストールも新顔の1つです。巻き方次第で表情を変えられる上、揺らめくフリンジでフェミニンなムードも演出できます。風に躍るフリンジが優雅な雰囲気を引き寄せ、さらに縦長効果も発揮。ボタニカルモチーフやエスニック柄など甘さを控えたタイプが旬です。 会場でキャッチしたカリビアンコーデのお手本と言えるおしゃれ業界人は、プレスの高田洋子さん(左)、デザイナー岩崎理江さん(中央)、バイヤー中山洋美さん(右)。最旬トレンドの柄パンツの着こなしはそのままコピーしたくなります。爽やかな白シャツで合わせることで、柄パンツがスタイリッシュな仕上がりに。シャツは裾アウトができそうなディテールやフォルムを吟味して。くたっとした風合いのジャケットを羽織ることにやり、こなれた着こなしが完成します。 ミニマルなファッションが勢いづいていたこのところですが、来春夏は一転してにぎやかなプリント物も多く登場します。本来のガリャルダガランテらしい旅濃度の高いリラクシングでノマドなテイストが楽観ムードに誘います。テーマになった「カリビアンクルーズ」を今から頭にインプットしておけば、新作との出会いに準備は万全。やがてショップに並ぶ春夏新作の中から、お気に入りをうまく見極めることができるはずです。 |