2012. 05. 27 「サルトル」ブーツはなぜ人気なの? 魅力や歴史を徹底リサーチ! こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。 長く使える「いい物」に出会えると、自然と愛着がわいて、本当のお気に入りの仲間に迎えることができます。ふらりとショップを訪れて、そういった価値のある品が運命的に見つかったときはうれしいものですが、なかなかそう簡単には巡り会えないところがあります。 ファッションのプロやおしゃれのアイコンたちの間にファンが多いブランドの1つに、「世界一美しいジョッキーブーツ」といわれるブーツの「SARTORE(サルトル)」が挙げられます。 「ガリャルダガランテ」では実は、毎年、仕入れていますが、人気が高くて、実際、シーズンになると既に品切れになってしまうほど。 そこで、「サルトルデビューしたい」「もう1足欲しい」という熱いご要望にお応えして、「サルトル」ブーツの先行オーダー会が6月に開催されることになりました。 「今年も買えなかった」「いつも入荷待ち」といった残念な思いをしてきた人にはまたとないチャンスです。 でも、どうして「サルトル」はこんなに人気が高いのでしょう? 今回は、ブランドの歴史を掘り下げつつ、「サルトル」の魅力をご紹介します。逸品が長く愛される理由が分かっていただけるかと思います。 「サルトル」の歴史は1930年代にさかのぼります。 ニースの北にあるフランスの町、ブレイユ=シュル=ロワイヤで靴店と修理屋を兼ねた小さな店から「サルトル」は始まりました。 息子のポール・サルトルが1959年に、妻のマルセルと一緒に起こした自前の靴工場が「サルトル」の歴史に道を開いたのです。 夫婦は、ポールが靴のクリエーション、マルセルが経営という分担で、数々の成功を収めていきました。 初コレクションのドライビングシューズに続き、セカンドブランド「エスキール」をスタート。 この時に誕生したのが、女性向けの乗馬用ブーツですが、現在の大人気アイテム「サルトル」が生まれたのは、もう少し後になってから。 2人の娘、カトリーヌとフランソワーズは1978年から両親の仕事を進んで手伝い始めました。 幼い頃から靴に囲まれて育ち、両親が教えてくれる様々な文化に慣れ親しんだ姉妹は、父母の仕事に新たな感覚を持ち込んだようです。 ファッションの世界でプレタポルテ(高級既製服)が浸透していったこの時期に一家のファミリーネームを冠した「サルトル」は誕生しました。 80年代に入ると、それまでは米国からの輸入に限られていたウエスタンブーツをフランスで独自にアレンジ。柔らかいレザーを用いた履きやすいブーツを提案します。ウエスタンブーツは乗馬ブーツと並んで今も「サルトル」のシグニチャー的アイテムです。 「サルトル」の不動の人気を裏打ちしているのは、最上級のなめし皮を使い、奥深いクラフトマンシップを映す製法です。 90年代未に南フランスの工場を閉じ、生産をすべてイタリアに移したのも、上質なブーツを生み出す、一流の技術を求めての事です。 職人技を受け継ぐ靴工房で製造される「サルトル」は2000年代にユニセックスラインを加え、さらにファンを増やしていきました。 乗馬はもともとユニセックスなスポーツで、乗り手の体力や体格が成績にあまり関係ないので、オリンピックでも男子、女子の区別がなく、一緒にメダルを争うルールになっているほどです。 乗馬ブーツ(ジョッキーブーツ、ライディングブーツ)やウエスタンブーツはどちらも馬と縁が深いブーツとして知られています。乗馬自体がヨーロッパでは貴族のたしなみとなっていた事情があり、乗馬ブーツには上品なシルエットが多くなっています。 乗馬ブーツに代表される「サルトル」の表情は性別や着こなしを選ばないので、マニッシュの取り入れがお約束になってきた近年のコーディネートにはしっくり溶け合うということが言えます。 履いたときの抜群のフィット感と、ため息が漏れそうな美しいシルエットは丹念になめされた革の質感に支えられています。 様々な色を重ねてあの神秘的な奥行きのある革色を引き出す「パティーヌ」と呼ばれる染色技法まで一家は独自に研究を重ねて、作品に注ぎ込んできました。 そこに、アートデイレクシヨンを担うカトリーヌ・サルトルの着想が落とし込まれて、毎シーズン、新たな「サルトル」が生まれます。 カトリーヌのアイデアは、ありきたりのブーツとは別物のポジションに「サルトル」を位置付けてきました。 例えば、クロコダイルやオーストリッチなどのリッチな素材を使い、上品でリュクスな表情のブーツを生み出していて、そこには父ポールが開発した加工テクニックが息づいています。 一方、ロックなディテールや、秘やかなエレガンスが程よく主張してくれるので、シンプルなボトムスが、サルトルで合わせることにより、味わい深い雰囲気に仕上がるわけです。 近年、靴業界で機械化が進む流れにあっても、「サルトル」は行きすぎた工業化に乗らず、手仕事の丁寧さやぬくもりを大事にし続けています。 「サルトル」のブーツに特有のエスプリやクラシック感はカトリーヌの着想と、伝統を重んじた工程があればこそ。 だから、長く履き続けても、時代遅れにならず、どんなトレンドの着こなしにもなじむのです。 30年を超える歴史がありますが、ぶれないたたずまいや揺るぎない気品を備えた「サルトル」はモダンな装いに不思議とマッチし、その人のスタイルを際立たせてくれます。 「世の中を変える影響力や意識、未来を革新する新しい流れ、飾りたてず、誇示するでもないシンプルな姿勢、世界のあちこちで起こったことを常に感じ取れるセンス」という「サルトル」の信条が、履いた立ち姿に凛とした気高さや自信をも薫らせてくれるのも魅力のひとつです。 型崩れしにくく、手に入れた当時の姿を長く保つ上、履くほどに持ち主の脚となじみ、愛着を持って手入れを重ねていくと、自分だけの風合いを引き出せる点も「一生物」として買う人が多い理由でしょう。 海外のセレブリティーやファッショニスタがプライベートで好んで履くのも、割とシンプルな普段使いのボトムスにでも「サルトル」がリッチ感や優雅さを添えてくれるから。 ジーンズをブーツインして履く着こなしは一般化しているので、「サルトル」のブーツでさらにアッパーな風格をまとわせたくなります。 世界的にもデイリー仕様になったブーツスタイルのスナップを集めましたので、次シーズンの着こなしの参考にしてみてください。 ジャケット+ストールの合わせは、「きちんと」×「ゆるさ」をミックスした人気の着こなしテクニックです。このようなコーデには、足元をスッキリ見せるブーツがピッタリ。 色鮮やかなコートやボリュームあるポンチョ系などのアウターにもシャープなボトムススタイリングが重要になってきます。シンプルで美しいフォルムのブーツが着こなしを格上げしてくれます。 ハイエンドなクオリティーのブーツを、あえて普段使いでヘビロテするのが、こなれたおしゃれの知恵と言えます。 秋に先駆けていち早く開催される今回の「サルトル」先行オーダー会は、復刻デザインや限定カラー、そして今秋冬の新作などが揃い、ブランドの奥深い魅力をあらためて実感できる貴重な機会となっています。 期間中に「サルトル」のブーツをオーダーしたお客様には「ガリャルダガランテ」オリジナルのハラコポーチとシューズケアセットがプレゼントしてもらえる特典も。 以前から、いつかは「サルトル」が欲しいと思っていた人はもちろん、2足目、3足目を狙っている人、今回のブランドストーリーを知って初めて興味を持った人も、オーダーしてから届くまでの待つ時間まで楽しくなる、スペシャルな体験をこの機会に楽しんでみてはいかがでしょう。 ◆サルトル秋冬新作先行オーダー会開催スケジュール 2012年6月1日(金)〜6月10日(日)表参道店・ディアモール大阪店 2012年6月13日(水)〜6月17日(日)ルミネ新宿店・クリスタ長堀店 2012年6月20日(水)〜6月24(日)ルミネ横浜店・ルミネ大宮店 詳細はこちらをご覧ください。 ↓↓↓ http://www.gallardagalante.com/galante/#/news/2012-05-17-17-01-01 |