2014. 01. 24 薄軽レザーで仕立てる、未体験の革アイテム 「Raw+」ブランドの魅力解剖 こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。「ガリャルダガランテ」では実力派ブランドとのコラボレーションも頻繁に企画していて、毎回、人気を博しています。そんな期待を集めるコラボシリーズですが、人気の高さゆえにお客様のリピート要望もあって、何度も繰り返して実現しているヒット企画も生まれています。 Raw+ 2014春夏コレクション (c)Raw+ Raw+ 2014春夏コレクション (c)Raw+ 人気リピート企画の1つであり、ショップに登場するたびにソールドアウトを重ねているのが、オリジナルのレザーでほとんどのコレクションを構成するブランド「Raw+(ロゥタス)」とのコラボ。2014年も早速、ショップでのお披露目が間近に迫っています。そこで、今回は「Raw+」のブランドの魅力をお伝えするのと合わせて、「ガリャルダガランテ」でしか買うことのできない新作コラボも先取りでご紹介します。 「Raw+」はRyuichiro Shimazaki氏とHisako Sato氏の男女2人のデザイナーデュオが手掛け、2008年にブランドを立ち上げました。2人はどちらも「MUJI」の出身で、ナチュラル&シンプルなデザインをよく心得ています。男女デュオの場合、それぞれが意見を出し合って、1つの形にまとめ上げていくケースが多いのですが、「Raw+」は異色のアプローチを選んでいます。2人で共作するのではなく、2人がそれぞれ別に自分のこだわりを重んじて服を作っているのです。だから、男女のテイストが互いに混り合って、全体に深みを与えています。 ブランドコンセプトは「そのままの物に新しさをプラスする」。その意味を込めて、英語で「生(なま)、そのまま」という意味を持つ「Raw」に「+」を添えてブランド名としています。 「Raw+」のブランドシグネチャー的存在と言えるのが、オリジナルのレザーを主な素材に使った作品です。コレクションのうちのいくつかがレザーアイテムだというのではなく、商品の大半がオリジナルレザーを主体にしているという点で、「Raw+」は世の中の一般的なファッションブランドとは一線を画しています。 しかも、特殊な技術で加工した極薄レザーは特許を取得しています。新鋭ブランドが集まることで有名な、パリの展示会「トラノイ」で人気に火がついたのも、革の巧みな操り方が大きかったようです。レザーをベースにしつつ、シーズンごとにある素材をフィーチャーしてコレクションを構成しています。 ミリタリーやメンズ要素を程よく加えたデザインテイストを得意としています。さらに、そこにドレープ仕立てのようなクチュールテクニックをプラス。フェミニンを薫らせ、全体のバランスを着やすく整えています。男女両方の風情がミックスされた独特の世界観を醸し出しているのが、「Raw+」の特質と言えるでしょう。 Raw+ 2014春夏コレクション (c)Raw+ Raw+ 2014春夏コレクション (c)Raw+ Raw+ 2014春夏コレクション (c)Raw+ 2014春夏のテーマは「ESSENTIAL PIECES FOR RAW+」。その言葉通り、「Raw+」ブランドに欠かせない春のベーシックアイテムを集めました。これまでレザーでは表現しづらかった、微妙なライトカラーのカラーリングを提案。薄くて軽く柔らかいオリジナルレザーの特性を生かした、クリーンでミニマルなコレクションに仕上げています。 レザーウェアに合わせやすいインナーからドレスまでを全てジャージー素材で作る新ライン「Raw+FOUNDATION」も14春夏からスタートさせます。 「Raw+」のレザーは製法からして本当にオリジナルなので、もう少し説明を加えましょう。普通のレザーは、つややかなスムーズ加工を施した表側は滑らかな状態ですが、裏面はざらざらしたスェード状になっています。裏地がついたレザーウェアでは分かりにくいかも知れませんが、1枚革の表と裏を見比べれば、全然違うことが分かるはずです。このざらついた裏面のせいで、レザーを1枚で仕立てると、スェード面の塵が内側の服に付着してしまったり、革から色移りしてしまうという問題が起こりがちです。レザーアウターはこのトラブルを防ぐ意味から、裏地を付けることが多いのですが、裏地があるとシルエットに制約が生まれ、かさばりやすくなります。 デザイナー2人はこの宿命的な問題に真正面から向き合いました。そして、レザーアウターを裏地なしの1枚仕立てで白いTシャツの上に着ても汚れない新しい加工技術にたどり着いたのです。このオリジナルレザーは両面を滑らかに加工してあるので、極めて薄く加工して、まるで布のように操ることができます。レザーとは思えないほど軽く柔らかく仕上げられていて、これまでにない着心地を味わうこともできる「魔法の革」です。 このオリジナルレザーは、表と裏を全く同じつややかな状態に仕上げてあるのが特徴です。裏側もスムーズな触感を持つので、肌触りもとても滑らか。「Raw+」はこの革をとても薄く加工して、布のように使っているから、今までのレザーとは全く異なる表情が引き出されています。さらに、汗や水を弾く工夫も加えられ、1枚仕立てのアウターを安心して楽しめるような心配りも忍び込ませてあります。 袖を通して、多くの人が驚くのは、その拍子抜けするほどの薄さ、軽さ、しなやかさ。今までのレザーウェアが背負ってきた、かさばり感、重さ、ごわつきが嘘のような着心地です。裏地を付けずに済む上、レザー自体を極限まで薄くできたおかげで、この着心地が実現したわけです。 「ロゥタス×ガリャルダガランテ」レザー切替トレンチコート 95,000円(税別) このような長所を兼ね備えるオリジナルレザーは今回ご紹介するアイテムでも、その魅力を存分に発揮してくれています。レザー切替をあしらったトレンチコートは「ガリャルダガランテ」とのコラボで、レザーでアクセントを加えたコットン仕立て。コットン生地と同系色の春らしい淡いカラーに染められたレザーの風合いが装いにクラス感を添えています。形はトレンチですが、やさしい色の効果で重たく見えません。総裏付きで仕立ててあります。縫製工場は英国のバーバリー社から正式に認定を受けた、クオリティーの高いファクトリーに依頼しています。 「ロゥタス×ガリャルダガランテ」ライダースジャケット 85,000円(税別) ライダースジャケットは「ガリャルダガランテ」とのコラボ物。実はライダースこそ、「Raw+」のオリジナルレザーの長所が生きる革アイテム。なぜなら、一般的なライダースは革が重くて固いせいで着にくいところがあり、ちょっとハードに見えがちです。今回のコンパクトなライダースはソフトでライト。ライダース本来のディティールは残しつつも、余分な要素は省き、ありそうでなかった逸品を生み出しました。ファスナーは輝きの美しいEXCELLAを使用。入念に1つ1つ磨かれた滑らかなファスナーが高級感を漂わせています。 「ロゥタス×ガリャルダガランテ」ドレープジャケット 98,000円(税別) ドレープジャケットも「Raw+」のオリジナルレザーのよさを引き出した品。こちらも「ガリャルダガランテ」とのコラボアイテムです。これまでのレザーでは優美なドレープは出しにくかったのですが、薄く軽いオリジナルレザーならではの穏やかな風合いが、やわらかい表情をもたらしました。ニットカーディガンではない「レザーカーディガン」という聞き慣れないアイテムのよさは、ぜひ実際に触れて羽織って感じてほしいところです。ウエストベルトで絞ってエレガントなシルエットを際立たせることができます。量感のあるドレープは表裏両面をスムーズに加工したオリジナルレザーならではです。 自ら考案したオリジナルレザーを生かして、「Raw+」はこれまでレザーで仕立てるという発想のなかったようなアイテムやデザインを、シーズンごとに打ち出し続けています。今回のガリャルダガランテとのコラボでもその本領を発揮しています。レザーウェアの常識を変えていくクリエイター2人と、彼らを応援する「ガリャルダガランテ」のケミストリー(化学反応)から誕生した新作は、きっとみなさんのおしゃれに新たな驚きと喜びを加えてくれるはずです。 平成26年年4月1日からの消費税増税に伴い、缶゚ルでは商品の希望小売価格の表示は全て税抜表示となっており、本BLOGの価格は全て税抜表示となっています。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。 ※平成25年10月1日から平成29年3月31日まで適用される「消費税転嫁対策特別処置法」に基づいております。 |